二瀬窯業の高炉水砕スラグ細骨材の製法特許granulated blast furnace slag
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天然硅砂は、山を発破したり、川や海を掘削することで得られます。天然硅砂は無尽蔵に採れる訳ではなく有限の天然資源です。環境破壊が憂慮され、自然保護が叫ばれる昨今において、国内で新しい山砂を探すのは困難、海砂は採取制限が全国的になりつつあり、良質な天然硅砂の確保が段々と難しくなってきています。
そういう状況の中、当社が関東工場で製造している「高炉水砕スラグ細骨材」は、製鉄プロセスの副産物である「高炉水砕スラグ」を利用した高性能なリサイクル原料という側面を併せ持つ人工硅砂です。「高炉水砕スラグ細骨材」は、天然硅砂の使用抑制という環境負荷の低減だけに留まらず、天然硅砂には無い様々なメリットを持っています。

エネルギーを持った砂 高炉水砕スラグとは?

「高炉水砕スラグ」とは製鉄プロセスにおいて鉄鉱石から鉄を取りだした後のもの(=溶解スラグ)を圧力水で急冷し、砕けて砂状になったものの事を言います。
「高炉水砕スラグ」はアモルファス(非晶質)であることが最大の特徴であり、内部に結晶化エネルギーを含有している為、セメントや石灰石等が持つアルカリ成分と反応する事によって潜在水硬性という、天然硅砂では決して得る事が出来ない反応を発現します。
潜在水硬性とは、結晶化を目指してスラグ自身が反応し、難溶性の反応水和物を生成する現象の事で、セメントが硬化するメカニズムとほぼ同等の事が超ミクロな世界で起こります。
その反応水和物がスラグ同士を結びつける結合材の役割を果たす事で、セメントと天然硅砂とを配合したモルタル(セメントが結合材)に比べて、セメントと「高炉水砕スラグ」とを配合したモルタルは、硬化体の強度や耐薬品性、耐火性などが飛躍的に向上します(セメントと高炉水砕スラグ細骨材の間にスラグの反応水和物が入り混み、結合をより強固なものにする)
また、セメントを一切使わずにスラグ(の反応水和物)だけで硬化させる事も出来ます。
高炉水砕スラグの5つのメリット
-
長期強度に
優れる -
天然資源の
使用抑制(環境保護) -
耐薬品性
(耐酸性)の向上 -
アルカリ骨材
反応しない -
マクロセル
腐食現象の
低減
高炉水砕スラグ細骨材を配合した断面修復材
断面修復材NCショッ卜Mは、天然砂を配合した断面修復材に比べてマクロセル腐食(断面修復材による補修部位と既設コンクリー卜との界面付近やひび割れ部において腐食速度が増進する現象)を低減させる効果がある事が大学との共同研究で判明しました。
研究の成果は「土木学会J及び「材料学会Jで論文発表しました。

高炉水砕スラグ加工砂を配合

天然砂を配合
「高炉スラグ加工砂を用いた断面修復材のマクロセル腐食形成機構の解明に関する研究」
土木学会『第69回年次学術講演」(H26.9)日本材料学会『コンクリー卜の補修・補強アップグレードシンポジウム」(H26.10)
理想のモルタル用細骨材
関東工場で製造している「高炉水砕スラグ加工砂」は、当社独自の形状改善技術(特許取得済)でスラグ原鉱をモルタル用の細骨材として理想的な形状に加工・改善します。
様々なモルタルの用途に合わせて粒度分布も調整する事が出来る為、高性能・環境保護に加えて施工コスト削減や安全性にも繋がる作業性の良い材料を作り出す事が可能です。
